飲食店開業や厨房の改修を検討する際に、「使いたいガス機器に対して配管やメーターの容量は足りているだろうか」「工事や接続はどこに頼めば安心なのだろう」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。
厨房で安全かつ快適にガス機器を使用するためには、器具に応じた適切な接続管の選定や、店舗全体のガス消費量に合わせた配管設計を行うことが重要です。
この記事では、厨房におけるガス配管や機器接続具の種類をはじめ、器具に必要な配管の太さや号数の考え方、業務用フライヤーなどの接続手順、工事費用の目安や信頼できる施工店の選び方までをわかりやすく解説します。
店舗の新規オープンやレイアウト変更を控えている飲食店オーナー様はもちろん、安全で使いやすい厨房環境を整えたい事業者様も、ぜひ参考にしてみてください。
■厨房ガス配管の種類と接続方法

飲食店や厨房で安全にガス機器を使用するためには、使用する器具や給湯器の設置状況に応じた適切なガス配管と接続方法を選ぶことが不可欠です。配管や接続具の特性を正しく理解し、ガスもれなどの事故を防ぐ安全な施工を行いましょう。
・ガス接続管の種類と選び方
厨房のガス配管工事では、接続するガス機器のタイプや固定方法によって使用する接続管の種類が異なります。例えば、大型コンロなど位置を動かさない固定器具には、耐久性が高く熱にも強い金属可とう管や金属フレキシブルホースが使用されます。
一方、清掃時に移動させる機器には、着脱が容易な強化ガスホースや専用のガスコードを用いるのが一般的です。都市ガスやプロパンガス(LPガス)といったガスの供給種別によっても適合する管が異なるため、器具の仕様に合わせた正しい選定が必要です。
・機器接続ガス栓の種類
厨房内でガスを供給する元となるガス栓にも複数の種類が存在します。手動で開閉するつまみ式のガス栓のほか、ワンタッチで抜き差しできるプラグ型のコンセントガス栓、機器のネジ口に直接固定するねじ込み式ガス栓などがあります。
業務用の厨房設備では、万が一ホースが外れた際に自動でガスを止める安全機構(作動弁)を備えた機器接続ガス栓の設置が増えています。
開業時や居抜き物件での店舗改修時には、既存のガス栓の種類や劣化状況を確認し、最新の安全基準に適合したものへ交換することが安心につながります。
・シールテープと併用するシール剤
金属配管のねじ込み接続部からガスもれが発生するのを防ぐため、高い気密性を確保する施工技術が求められます。
ねじの噛み合わせ部分には隙間を埋めるシールテープを巻き付けますが、振動が多い厨房環境ではシールテープ単体ではなく、専用の液状シール剤(配管用ヘルメットなど)を併用して接続します。
シール剤を重ねて塗布することで、目に見えない微細な隙間まで隙間なく塞ぎ、長期間にわたって安全性を維持できます。知識のない作業は重大な事故の原因となるため、必ず専門の工事店へご相談ください。
■飲食店のガス管の太さと容量

飲食店の厨房で同時に複数のガス機器や給湯器を使用する場合、店舗全体で消費するガス容量を正確に把握することが不可欠です。容量に合わない配管やガスメーターを使用していると、必要な火力が得られなかったり設備が正常に動かなかったりする原因になります。
・ガス容量とメーター号数
飲食店を開業する際や居抜き物件に店舗を構える際は、設置するガス機器全体の最大ガス消費量(Kcal/hやkW)を算出し、それに応じたガスメーターの「号数」を選定する必要があります。
例えば、ラーメン店や中華料理店のように強力な火力を必要とする厨房では、一般住宅用の小さなメーターでは容量不足となり、ガス機器を同時に使うと安全装置が作動して供給が止まる可能性があります。
事業用のガスメーターには10号や16号など多様な種類があり、予定している器具の合計消費量に合わせた余裕のある号数を選ぶことが安心につながります。
・厨房に必要な配管の太さ
ガス配管の太さ(配管の内径寸法:mm)は、ガスメーターから各厨房器具までの距離や、流すガスの量によって決まります。配管が細すぎると、いくらメーターの容量が大きくてもガス管内で抵抗が生じ、末端の器具まで十分なガスが届きません。
特に業務用フライヤーや大型の給湯器など、一気に大量のガスを消費する機器を設置する場合は、一般的な15mm(15A)程度の細い配管ではなく、20mm(20A)や25mm(25A)といった太い配管へ改修工事を行う必要があります。
設置予定の機器配置に合わせて適切な太さの配管を引き込むことで、安定した火力を維持できます。
■業務用フライヤーなどの接続

業務用フライヤーや中華レンジといった高火力の業務用ガス機器は、家庭用器具とは異なり、接続方法を誤ると不完全燃焼やガスもれなどの重大な事故につながります。器具の特性を考慮した確実な接続手順を理解しておきましょう。
・業務用機器の正しい接続手順
業務用フライヤーをはじめとする大型の厨房機器を設置する際は、器具側のガス接続口の形状(ねじ込み式や外ねじ型など)を事前に確認し、適合する接続管や継手(配管同士をつなぐ部品)を使用します。
配管を接続した後は、ガス漏れ検知液(スプレーをかけると泡が出る検査液)などを用いて接合部からガスが漏れていないか入念に点検します。
また、フライヤーなどの厨房設備は油や熱を大量に発生させるため、ガスホースやコードが高温になる金属部分に接触しないよう、離隔距離(安全な間隔)を保つ工夫や金属カバーでの保護が必須です。
さらに、日々の清掃で機器を動かす場合は、配管に無理な引っ張り負担がかからないよう余裕を持たせた長さのホースを選ぶことが、事故を防ぐポイントです。
■飲食店のガス工事費用と依頼先

飲食店における厨房のガス配管工事にかかる費用は、施工の規模や工事内容によって変動します。
既存のガス栓から数メートルだけ配管を延長・移設する小規模な工事であれば数万円程度で収まるケースが多いですが、居抜き物件などでガスメーターの号数アップ(容量変更)に伴う幹線配管の引き直しや、厨房全体の複雑な配管工事を行う場合は、数十万円以上の費用が必要になることもあります。
工事費用を適正に抑え、万全の安全対策を講じるためには、依頼先の選定が重要です。
一般的なリフォーム店を通すと中間マージン(仲介手数料)が発生して高額になりがちですが、都市ガス事業者から認定を受けている「ガス工事指定店」や、自社エンジニアが施工を担当する専門の設備業者へ直接依頼すれば、費用を抑えて高品質な工事を受けられます。
また、開店前の準備期間や営業終了後の夜間施工などに柔軟に対応できる施工店を選ぶことで、店舗の営業を止めることなくスムーズに工事を完了させることができます。
■まとめ
飲食店厨房で安全かつ効率的にガス機器を使用するには、機器の固定・移動タイプに合わせた正しい接続具の選定や、店舗全体のガス消費量に合わせた配管口径・ガスメーター号数の確保が不可欠です。
万が一、容量不足や不適切な接続のまま運用してしまうと、火力不足や安全装置の作動、事故の原因にもつながります。
厨房の新規開業やレイアウト変更、機器の増設を検討する際は、施工の正確性と安全性を担保できる実績豊富な専門業者へ相談することが成功への鍵となります。
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